
【初心者向け】DEX(分散型取引所)とは?【始め方まで徹底解説】

DEXって普通の取引所と何が違うの?どんな仕組みで動いているの?
DEXについて、まるっとわかりやすく教えてほしいな。

よし、今回はDEXについて解説するぞ。
この記事の信頼性
この記事を書いている編集長は、日本語での情報がほとんどない2020年からDEXを利用し、仮想通貨関連のブログで月50万円ほどの利益を得ています。その経験をもとに、初心者向けにDEXの基礎知識から始め方まで詳しく解説していきます。
世界No.1のオーダーブック型DEX
DEXとは?

DEXとはブロックチェーン上に構築された、特定の管理者がいない仮想通貨取引所のことをいいます。
「Decentralized EXchange」の略称で、日本語では「分散型取引所」と訳されます。
DEXとCEXの違い
通常、仮想通貨取引所というとコインチェックやBinanceなどを思い浮かべる人は多いはず。
これらの取引所は中央集権型取引所(CEX)と呼ばれており、特定の管理者が運営しています。
プラットフォームや仮想通貨を提供する代わりに、取引手数料やスプレッド(売買の価格差)で利益を得ています。
一方の分散型取引所(DEX)では、仲介する管理者を置かないため、余計なコストを搾取されることなく手数料を抑えて利用することができます。
なぜDEXが必要?
日本にいると考えられないかもしれませんが、世界には銀行口座を持てない人が約25億人いると言われています。
これまで貧困にあえぐ国や地域では、投資や資産運用に参加することはほぼ不可能でした。
DEXでは、本人確認などのステップや銀行口座の有無を問わないため、誰もが金融取引に参加することができるというメリットがあります。
また、特定の管理者がいないことで、一方的な口座の凍結や資産の封鎖などのリスクを気にせずに投資ができるというのも需要が高まった理由といえます。
DEXの特徴


でも、特定の管理者がいない取引所なんて本当に大丈夫なの?

とはいっても、全く無法地帯というわけではないぞ。
DEXを理解するための3つの特徴を解説しよう。
- スマートコントラクトを介して取引
- サーバーダウンのリスクが低い
- ガバナンストークンによる運営
スマートコントラクトを介して取引
DEXではスマートコントラクトというブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組みがすべての取引を実行します。
ブロックチェーンにデータが残るため、取引内容の改ざんはできません。
そのため、人為的なミスやエラーは起こらず、むしろ透明性の高い運用ができるようになります。
サーバーダウンのリスクが低い
DEXでは、ブロックチェーンによって分散されているため、サーバーダウンでサービスが使えなくなる可能性は低いです。

また、資産をまとめて管理するCEXの場合、ハッキング被害にあったり、預けたお金を持ち逃げされるリスクがあります。
一方で、DEXの場合は各ユーザーがウォレット内で資産を管理しているため、ハッキングには膨大な作業量が必要となり、現実的ではなくなります。
ガバナンストークンによる運営
DEXでは、ガバナンストークンを保有するユーザーの投票によって意思決定がなされます。
特定の管理者がいない分、プロジェクトの運営や開発についての方針は、トークンを保有するユーザーに委ねられます。

上記画像のように、改善点や議題をリクエストすることができ、投票によって賛成多数のものは開発者が実行していくというのが一般的です。

一極集中させないことで、リスクを下げているんだ。
DEXの仕組み


DEXはどんな仕組みで動いているの?

一言でDEXと言っても、大きく2つの異なる仕組みがあるんだ。
- オーダーブック型
- 自動マーケットメイカー(AMM)型
オーダーブック型

オーダーブック形式では、CEXとほぼ変わらない取引体験を手数料なしで利用できるのが特徴。
まず、メイカーがスマートコントラクトを介してオーダーブックに売り注文を出し、その注文を確認したテイカーが買い注文を出します。
売買注文がマッチングした時点でブロックチェーン上に決済を記録して取引が完了となる仕組みです。
自動マーケットメイカー(AMM)型

一方の自動マーケットメイカー(AMM)型では、ユーザー同士がウォレットを介して直接通貨を交換できるのが特徴です。
AMM型のDEXでは、流動性プールという仕組みで成り立っています。
- Aさん(投資家):保有する2種類の仮想通貨のペアをDEXに預け、流動性を提供
- Bさん(購入者):手数料を支払い、プールから取引対象の通貨を引き出すことで交換が成立
- Aさん(投資家):DEXから手数料を報酬として受け取る
取引の価格は独自のアルゴリズムに従い、流動性プール内の供給量に応じて決定されます。
流動性を提供する投資家がすべての手数料を受け取ることができるため、常に需要と供給を維持できるという仕組みなのです。
DEXを代表するサービス


DEXを代表するサービスにはどんなものがあるの?

それじゃあ、AMM型とオーダーブック型をそれぞれ2つずつ紹介しよう。
- Uniswap(ユニスワップ)
- PancakeSwap(パンケーキスワップ)
- dYdX(ディーワイディーエックス)
- Serum(セラム)
Uniswap(ユニスワップ)

UniswapはAMM型を代表するDEXで、イーサリアムチェーン(ETH)を基盤に作られたサービス。
取り扱う仮想通貨は1,500種類以上で、取引量も圧倒的No.1のため、まずはUniswapでDEX取引を経験するという人が多いです。
Uniswapでは、ガバナンストークンのUNIを発行しており、トークン所有者は運営に関わることに意見できるのが特徴となっています。
>> Uniswap(ユニスワップ)とは?特徴から使い方まで徹底解説
PancakeSwap(パンケーキスワップ)

PancakeSwapもAMM型を代表するDEXですが、バイナンススマートチェーン(BSC)をベースに構築されたサービスです。
ポップなデザインでイーサリアムよりもガス代が安いので、日本人のユーザーも多いです。
CAKEというガバナンストークンを発行しており、運営に関わる投票に参加できるだけではなく、トークンセールへの参加できるなど幅広い役割を持っています。
>> PancakeSwap(パンケーキスワップ)とは?特徴から使い方まで徹底解説
dYdX(ディーワイディーエックス)

dYdXはイーサリアム(ETH)のスマートコントラクトを採用したオーダーブック型のDEX。
dYdXの最も大きな特徴は、最大25倍のレバレッジをかけた証拠金取引が可能という点。
さらに、レイヤー2のZKロールアップで取引できるため、イーサリアムの課題であったガス代や処理速度の問題を解決できるのは魅力のDEXです。
ガバナンストークンのDYDXも発行しており、保有量に応じて取引所の運営に関わることに意見できるようになります。
>>【オーダーブック型DEX】dYdXとは?特徴から使い方まで徹底解説
Serum(セラム)

Serumは、ソラナ(SOL)ブロックチェーンを代表するオーダーブック型DEX。
ソラナを利用することで、DeFiがこれまで抱えていた処理スピードや高い手数料を解決することを目的としたDEXプロジェクトです。
ガバナンストークンのSRMの保有者は、運営に関わる投票ができるだけなく、保有量に応じて手数料の割引を受けることができます。
>>【ソラナ基盤のDEX】Serum(セラム)とは?特徴から使い方まで徹底解説
DEXを利用する際の注意点


DEXを使うにはどんなことに気をつければいいの?

いい質問だ。以下の3つは頭に入れておこう。
- トラブルは自己責任
- ガス代が高くなることがある
- 取引が成立しにくい場合がある
トラブルは自己責任
特定の運営主体がいるわけではないので、何かトラブルに巻き込まれたとしてもすべて自己責任です。
手厚いカスタマーサポートや補償制度はもちろんありません。
誰でもに利用できるのがDEXの利点ですが、システム障害や操作ミスで失ってしまった仮想通貨は取り戻せないことを頭に入れて取引するようにしましょう。
ガス代が高くなることがある
DEXでの取引は、すべてブロックチェーンを介して行うため、ガス代の高騰で手数料負けする可能性があります。
一方の、企業が管理するCEXでの取引は、ブロックチェーン外での取引になるため、企業が設定した取引手数料を払うだけになります。
需要が大きいタイミングでは、多めに手数料を支払うことを覚悟しましょう。
取引が成立しにくい場合がある
DEXでの取引は、必ずしも希望の取引価格で取引が成立するとは限らないということを頭に入れておきましょう。
管理者のいないDEXでは、CEXのように運営側の介入によって流動性が供給されることはありません。
取引の成立は、各通貨の取引量や参加するユーザー数に大きく依存するため、なるべく大きなDEXを利用するのがおすすめです。

まずはCEX型の取引所での取引に慣れておこう。
DEX取引の始め方


DEXで取引を始めるには、どうしたらいいの?

DEXを始めるのに必要なものは2つだけなんだ。
- 暗号資産(仮想通貨)
- ウォレット
暗号資産(仮想通貨)

DEXで取引を始めるには、暗号資産(仮想通貨)が必須です。
まず、どのDEXを使うか決めたら、そのDEXがどのチェーンをベースに動いているものなのか調べ、取引に必要な基軸通貨を購入しましょう。
例えば、
- Uniswap:Ethereum(イーサリアム)基盤→ ETHを購入
- PancakeSwap:BSC(バイナンス)基盤→ BNBを購入
- Serum:Solana(ソラナ)基盤 → SOLを購入
ETHは多くのプロジェクトに利用されていますが、ガス代(手数料)が高くなりやすいです。
一方のSOLは、ガス代を安く抑えつつ、処理速度も早いというメリットがあり急激に採用が増えています。
>>【超初心者向け】仮想通貨投資の始め方ガイド【手順や注意点をわかりやすく解説】
>>【初心者向け】海外仮想通貨取引所のおすすめトップ5ランキング【徹底比較!】
ウォレット

ウォレットは、一番メジャーなETHベースのMetaMask(メタマスク)のインストールがおすすめ。

SOLの場合はPhantomというウォレットが有名だぞ。
DEXでは、ウォレットでログインするのがスタンダードになっています。

購入した仮想通貨を自分のウォレットに送金することで、DEXでの取引を開始することができます。
>>【究極ガイド】MetaMaskとは?設定から使い方まで徹底解説!【Web3へのパスポート】
まとめ
ということで、この記事ではDEXの仕組みや代表的なサービス、始め方までまるっと解説してきました。
DEXは、誰でも金融取引に参加ができ、管理者なしでも運営ができる金融革命ということがお分かりいただけたかと思います。
DEXでの取引を始めるには暗号資産(仮想通貨)は必須となります。
まずは、取引所で口座を開設し、早めにDEXの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
世界No.1のオーダーブック型DEX